導入事例:小売店舗向け電子マネーチャージ機
電子マネーチャージ機をカスタマイズ対応。現金チャージ機能に加えデビットチャージやキャッシュアウトの機能を搭載。コープこうべ様の全店舗に導入いただきました。
小売店舗向け電子マネーチャージ機:生活協同組合コープこうべ様
コープこうべ様は、兵庫県全域及び大阪府の一部(北摂エリア)に144店舗を展開(2022年12月末現在)されており、1921年の創立より組合員からは「コープさん」の愛称で親しまれています。
こだわりのプライベートブランドであるコープ商品や豊富な品ぞろえと品質の高さが組合員に好評で大変喜ばれています。
2021年に100周年を迎えられたコープこうべ様。
組合員の利便性を高める取り組みをさらに強化したいと、新たな取り組みとしてキャッシュアウトなどの機能を備えた電子マネーチャージ機「コピたん」を導入いただきました。
生活協同組合コープこうべ 様
(写真はコープデイズ神戸西)
住吉事務所:神戸市東灘区住吉本町1丁目3番19号
https://kobe.coop.or.jp/
今回導入いただいたシステム
高機能チャージ機 (カスタマイズ対応)
大容量・紙幣還流型釣銭ユニットを搭載。”キャッシュアウト”や”ポイント利用”のほか、”クーポンの発券”などの拡張機能を備えた高機能モデルの電子マネーチャージ機です。
オリジナル電子マネーチャージ機導入にあたり
カスタマイズができる自由度の高いチャージ機を導入したかった
― オリジナル電子マネーチャージ機「コピたん」の導入にあたり
どのような課題をお持ちだったのでしょうか?
コープこうべでは、2016年よりハウス電子マネー「COPICA(コピカ)」を導入していますが、組合員の多くはレジでチャージされていました。レジでのチャージはレジ担当者の負担が増えることと、レジに時間がかかってしまうといった課題があり、できるだけチャージ機の利用を促進していきたいという想いがありました。
また「COPICA」へのチャージは、組合員が銀行やATMなどであらかじめ現金を引き出してきて、コープこうべの店舗でチャージしていました。 これでは、電子マネーを導入したとしても本当のキャッシュレスにはなっておらず、組合員が便利になったとは言えません。
山口 正悟 様
銀行のATMがどんどん減ってきています。近くに現金を引き出せるところがなく、わざわざバスに乗って現金を引き出しに
行くという方もいらっしゃいました。
そこで、コープの店舗で現金を引き出すことができれば、組合員にもっと便利にコープこうべの店舗を利用していただけるはずと考えました。 私たちコープこうべは、生協ですので、組合員とともに社会的な課題の解決に取り組んでいます。新しいチャージ機に現金を引きだせる機能を搭載することで、課題解決を図ることとしました。
― 新しいチャージ機を導入するにあたり、システムギア株式会社を選ばれた理由についてお聞かせください
チャージ機能以外にもいろいろな機能を搭載できる、拡張性の高いチャージ機を導入したいと考えました。しかし私たちが求めている機能を搭載したチャージ機は世の中にありませんでした。オーダーメイドで作ってくださるメーカーを探すところから始めなければなりません。 そこでチャージ機を開発されているメーカー各社にご相談をさせていただきました。
オーダーメイドとなるとメーカー側としては工数が読みにくく、見積を出すのも一苦労です。そんな中「ないなら作りましょう」と言ってくださったのがシステムギア株式会社です。
私たちは、すぐにショールームに伺うことにしました。ショールームには、ホテルのチェックイン機やゴルフ場の自動精算機などの実機が展示されていました。それらの機器を見せていただく中で強く感じたのが、システムギアの開発力の高さです。
実機はどれも、その業務に合わせて作られた、専門性の高い機器ばかりでした。こうした機器を作るには、高い技術はもちろん、業務そのものに対する深い理解が欠かせません。
私たちが作りたい新しいチャージ機の構想を伝えたときにも、「できません」「難しいかもしれません」という言葉は一切なく、どうやったらそれが実現できるかを前向きに考えていただきました。
こうした前向きな姿勢は、開発力に自信がなければ生まれないものであると思います。こうした対応面も、「システム ギアさんにお任せしよう」と思える決め手となりました。
組合員の電子マネー決済への不安を払拭するために
銀行のキャッシュカードを利用した2つの機能を搭載
― 課題を解決するために、チャージ機能のほかにどのような機能を搭載されたのですか?
一つが銀行のキャッシュカードを利用したチャージ機能です。先ほどもお話しましたが、ATMなどで現金を引き出してコープの店舗でチャージを行うことは、本当のキャッシュレスとは言えません。この問題を解決するために、銀行のキャッシュカードのJ-Debit機能を活用し、チャージできる仕組みを搭載することにしたのです。
もう一つが、現金を引き出せる「キャッシュアウト」の機能です。コープの店舗で現金を引き出すことができれば、ATMが近所にない地域にお住まいの組合員にとっても利便性が高まります。
また、組合員がコープの店舗で現金を引き出すことにより、お店に残る現金が減り現金運用のコスト削減にも繋がります。これは組合員にとってもコープこうべにとってもメリットとなります。
― なぜクレジットカードではなく銀行のキャッシュカードに着目されたのですか
現金でお支払いをされている方の多くは、クレジットカードやQRコード決済などのキャッシュレス決済に対して「個人情報の流出が不安」「面倒」「分かりにくい」といった印象を持たれています。
しかしキャッシュレス決済を利用されない組合員でも、銀行の口座があればキャッシュカードはお持ちです。ATMで現金を引き出す時はキャッシュカードを読み込ませ、本人しか知らない暗証番号を入力します。
このことからATMで現金を引き出す時のように「自分で操作して暗証番号を入力した時にのみ「コーピーカード」にチャージができる」という仕組みを作れば抵抗を感じることなく、便利に使っていただけるのではないかと考えました。
この仕組みでは、チャージのたびにキャッシュカードの暗証番号を入力する必要があります。これは手間がかかることではありますが「組合員の銀行口座の情報をお預かりしない」こと、「本人しか知らない暗証番号を入力しなければチャージされない」ことなどをアピールし、組合員の不安を払拭しつつ組合員の利便性を高めることを可能にしました。
万が一コーピーカードを紛失してしまっても、コーピーカードは銀行口座に紐づく情報を保持していませんので、勝手にチャージされ使用されてしまうことがなく安心です。
こうしてキャッシュレス決済の不安を払拭しつつ組合員の利便性を高めることを可能にしました。
現金を使用しないチャージの仕組み
(イメージ)
コピたんの導入による成果
― コピたんを導入して、どのような変化がありましたか?
2020年7月からコピたんの開発に着手し、2021年10月に店舗での稼働を開始しました。これまでは生協の組合員証(ポイントカード)とCOPICA(ハウス電子マネー)の2種類のカードが存在していましたが、コピたん導入にあたり、これらの機能を「コーピーカード」に一体化させ、2022年6月にカードの切り替えは全て完了しました。
レジでチャージを行う場合「その日のお支払い金額分(その場の決済不足額分)だけ」をチャージされる組合員が
多いのですが、コピたんでチャージされる場合は「今後利用する金額」も含め、より多くチャージされる傾向があります。そのため1回あたりのチャージ単価は増加しています。
さらに銀行のキャッシュカードによるチャージでは、お手元の現金が減ってしまう事がありません。そのため1度にチャージされるチャージ単価はさらに多くなっています。
そしてキャッシュカードによるチャージを利用された方のほとんどの方がリピートしてくださっています。サービスの安全性について丁寧に説明を行ったことが功を奏しているようです。今後も、店舗での声がけをさらに強化していく予定です。
最近では、コピたんでのチャージ率が99%を達成した店舗も現れました。チャージ機を利用してくださる組合員が増えていることで、チャージ機が受け入れられていると感じるようになりました。
具体的な成果について現時点で数値化はできていませんが、スタートとしては非常に良好だと感じています。
増加するチャージにも対応可能な紙幣収納容量
― その他にも、良い変化があればお聞かせください
コープこうべではチャージ金額に応じてポイントの付与を行う日があるのですが、その日はいつも以上に多くの組合員にチャージ機をご利用いただいています。
利用者が増えたりチャージ単価が上がった時に懸念されるのは「チャージ機に溜まった現金を何度も回収する必要がある」ということです。現金回収のためにはチャージ機を停止しなければなりません。チャージ機が停止している間は組合員をお待たせしてしまう事となり、チャージの機会損失や組合員の不満を招いてしまいます。
また、現金回収業務はレジ担当者の負担にもなります。
以前のチャージ機では2時間ほどで紙幣ユニットが一杯になっていたので、頻繁に回収を行う必要がありましたが、新しいチャージ機では紙幣ユニットの容量が格段に大きくなったことで、チャージ機内の紙幣を回収する頻度が激減しました。キャンペーン期間であっても、1日1~2回程度の回収で済むようになったのです。
組合員の満足度は上がり、レジ担当者の負担は減りつつあるので、これはかなり大きなメリットと言えます。
今後の展望と課題解決への取り組み
― 今後、さらに拡充したい機能や展望などはありますか?
コープこうべでは、より良い社会に近づけるため、今後も組合員の要望に柔軟に応えていきたいと思います。
コピたんをハブにして、組合員の課題解決を含めて色々なことを実現していきたいですね。


